ぽやさいアニメを探す旅

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漁港の肉子ちゃん 感想

漁港の肉子ちゃんをTOHOシネマズ新宿で視聴しました。

全体としてはかなりよくできた作品だったと思います。

とにかく映像が美麗で気持ちが良かったです。出てきた五百円玉に平成25年と書いてあったので現代が舞台だと思うのですが、最近だとなかなかお目にかかれないような田舎の漁村の雰囲気がとても美しく描かれており、懐かしささえ感じました。

そしてもう一つ良かったのが小学5年生に対する描写の解像度の高さです。教室内での縄張り争い、転校生の立ち位置、そして初恋のような男女の淡い交わり。このあたりのリアリティが素晴らしかったからこそ、生い立ちと読書経験からくる少し大人びたキクリンが、大人になっていくという物語の本筋の説得力が増していてよかったです。

回想シーンでの伏線回収も綺麗でした。なんでこんな肉子ちゃんがオシャレなフレンチトーストを食べてるんだろ、というひっかかりがああいう形で回収され、映像の中では肉子ちゃんとキクリンとみうとが上手く重ねあわせられており、思わず声が出そうになりました。

残念だったのは反社組織がちらついたところ(ゆりあんレトリィバァの猫とか)と、隣でいびきかいて寝てたおじいさんが起きたと思ったら映画に出てきた単語を虚ろな目で繰り返しはじめた(「みすじ……」「神戸……」)せいで静まり返ったシーンを楽しめなかったところとが気になった程度でした。

7+点くらいあげたい。